初心者のためのパソコンのおはなし
第4話
おうちの外は、国際社会・・・の巻
 テレビや電話などの工業製品が、一時期の流行ではなく、文化現象とでもいうような勢い で、世界中に普及するための「法則」というものがあるようです。そのひとつとしてあげら れるのが、主婦に支持されることです。  ご主人ではだめです。男などは何歳になっても、しょせんはおもちゃ指向のガキでありま して、それは、中高校生や子ギャル、ピカチュー少年と同様の存在であります。高校生ギャ ルが流行を作り出す、などと話す人がおりますが、彼女らは一時期の流行させることができ ても、生活に定着させることができません。  その点、主婦のセンスは、オバタリアンなどと悪口を言われながらも、生活時間を左右す るモノをきちんと選択し、定着させています。時代の価値観を冷静に見抜き、合理性という ものを、よく理解しているのですね。いま、その製品ひとつとして、「情報索引としてのパ ソコン」が選択されつつあります。今日の講習会に来た阿部さんは、そんな主婦の代表です。  はなこん講師は、インターネット・ブラウザで、あちこちのホームページを紹介し、阿部 さんの興味のありそうなデパートや宝石ショップなどを見ておりました。 ●阿部さん  ふーん、パソコンとインターネットを使って買い物ね。ええ、たまにはいいかもしれない わね。でもやはりモノによりけりね。だって考えてもごらんなさい。毎日の食品の買い物で、 私たちはいつも商品を手にとって、手触り、香りなどを直感的に判断し、あらゆる見地から 実際に利用できるかどうか考えているのよ。インターネット買い物には限界がありそうね。 ●はなこん講師  はい、インターネットの買い物の話ですね。その話題でしたら、ただいまEC(電子商取 引、電子マネー決済システム)が世間をにぎわしております。実は私も詳しくは知りません が、インターネットになったから、日常的な買い物が以前より活発になるとは思っておりま せん。当面は、電話やファックスと同程度の効果しかない、と考えていいと思いますね。  ただ圧倒的に変化するものがあります。何であるか想像できますか?  はい、そうですね。ボーダーレス、国境の感覚がなくなるのです。  国境がない、という実感は、実は、これまでも電話やファックスにもありました。しかし、 そうした通信は、特定の用件のためであり、また言葉の壁や料金の問題がありました。でも インターネットでは、市内料金で国際通信ができるようになり、時間さえあれば、ウィンド ウショッピングのような気分があじわえるようになりました。この面での習慣は、がらりと 変わると思っていいでしょう。 ●阿部さん  そうかもしれないわね。電話が家族連絡用、ファックスで事務連絡し、パソコンは国内外 の不特定の情報を見る装置、という役割がでてきて、しかも日常的にそれらに触れている、 という感じになるかもしれないわね。私は英語やフランス語などはわからないけど、こうし てルーブル美術館などを見ていると、別にわからなくても困らないし、雰囲気さえ理解でき れば、あまり言葉の壁も感じないわね。 ●はなこん講師  インターネットでいちばん多く利用されているWWW、ホームページの参照のことですね。 まだ開発中ですが、英語翻訳もそのうち自動でできるようになることでしょう。しかし大事 なのは、翻訳しなくても、いまのような感じでわかることです。こうした発見は、きっと、 国際化というものをもっと進めることになると思いますね。なぜなら言葉は英語だけでなく、 ロシア語中国語いろいろあります。見た感じで価値判断できることが大事なのですね。です から「読む」というより、感ずるといいますか、そんな程度で十分楽しむことができると思 います。  言葉がわかるわからないの壁を、インターネットは一気に飛び越えた感じがしますね。家 の外は、すべての国につながっている、という感覚をもっていいと思います。無限のチャン ネル数をもつ国際テレビ、という感じもしますね。 ハイテクしても・・・・基本は家族 ●阿部さん  いまはまだ、国際的な活用の仕方はわからないけれど、やはり外国にも直接アクセスでき ろようなので、ある種の注意が必要なのでしょう?パスポートを肌身離さずもつことに相当 するものが・・・ ●はなこん講師  自宅の外に、「国際ハイウェイ」が走っている、と想像していいと思いますね。うっかり 飛び出すと、とんでもないスピード違反者にひかれたり・・・いや、これは想定の話ですが、 こうしたことが現実に可能である、と考えていいと思います。そうですね、いくつか注意を しておきましょう。  まず情報の秘密の問題です。電子メールなどがそうですが、「いつも盗聴されている」と 思いこんでおくと安全です。これは通信のしかたが、バケツリレーのようなしかけで行われ るからです。WWWもそうですが、いつ誰が何を発信したか、という記録が、簡単に調べる ことができると思って下さい。ほんとうに大事な通信は、いまのところインターネットを使 うべきでないと思いますね。また、根拠がなく人の悪口を言ったりするのも要注意ですね。 人をほめたり好きだ愛しているなどはいいでしょうけど、あいつは嫌いだなどのメッセージ は、その当人にコピーが届くのも時間の問題です。これはもちろん、ネットワークに送信し た情報のことで、パソコンに保存しているデータは、普通は、他人は見ることはできません。  次は契約の問題です。あちこちにキャッシュカードの番号と暗唱番号を書け、などと書い ているページがあります。通信販売やアダルトコーナーなどです。ついつい「その気」にな って、書き込んでしまう人もいるようですが、実体がよくわからない場合は、たいへん危険 なことです。その暗唱番号で何をされるかわからないし、また、アダルトなどではこまごま と英語で契約を書いており、その内容に同意したとみなされて、訴訟を起こしても全然きき めがないことも多いのです。  アダルトがでましたのでついでに話しておきますと、日本では、アダルト画像などは、見 た人は被害者である、との立場になります。見たくないわいせつ物を誰か勝手に陳列してい る、という考え方ですね。ですから、日本ではそうした目に余る内容の掲載は、民法違反に なりますし、また見たくない人の前で、これ見よがしで見せつけると、その人はわいせつ物 陳列違反になります。子供には、そうしたサイトを表示しないような機能のついたブラウザ がありますが、原理的にはその防止は不可能です。この意識もある程度、「国際化」してお く必要があるようです。  アダルト程度などはまだしも、といえばちょっと難がありますが、それよりももっと恐い のは、犯罪情報や、反社会的情報です。麻薬をどこで売っているかとか、子供を何ドルで買 うか、原爆をどうやって作るか、など、想像を超えた情報もあるようです。聞くに絶えない 話や、吐き気のもよおすような絵もあるでしょう。きれいごとだけでなく、人間はどこまで 悪が可能か、という世界を見るかもしれません。国際ハイウェイ、というのは、そんな意味 も込めて例えていました。 ●阿部さん  私もホームページを作ってみたいけれど、そういう問題があると恐いわね。ホームページ に家族や子供の写真を掲載したら、いろいろ大変な目にあうのではないかしら。また、雑誌 やカタログから、素敵な写真をコピーしてみたいけれど、そのときの注意点などはどうかし ら。 ●はなこん講師  そうですね。ホームページでのプライバシー保護は、ちょっとコツが必要と思います。ま ず自宅の住所や電話は掲載せず、連絡は電子メールだけで行うのがよいでしょう。子供のか わいい写真や、奥さんのすてきな笑顔も写真・・・はい、ほんとうですよ、そういうのは全 然問題はないです。  そういえばちょっと気になるのが著作権の表示です。そうした自分の家族の写真や、ちょ っとしたイラストなどは、まさかと思っている方が多いですが、りっぱな著作物です。3歳 児の絵でも、場合によってはすばらしいデザイン作品かもしれません。(c)文字(copyright の略)と著作者ローマ字名ぐらいは書いておくとよいでしょう。  また、雑誌のコピーや、テレビやビデオの画面をコピーして掲載することも著作権違反に なります。なにかの論説で、参考引用文献として、出典を明らかにして掲載するのは常識の 範囲内で許されるとしても、なんらことわりもなく自分が作ったかのように見せかけると、 違反になりますね。最近はさらに、音楽も掲載できるようになりましたので、好きな歌手の CDの一部を、と、勝手にコピーして掲載すると、これもダメですね。ただし、コピーして もよい、と明言した素材集は、自分の作品の一部として表示できますが、それも個人の趣味 の範囲だけで、商用利用は、著作者の同意を得る必要がありますね。 ●阿部さん  だけどホームページを作るのは、まだちょっと難しいようね。いくらやる気があっても、 すぐ作ってみるというわけにはいかないようね。また自分で写真画像を取り込むといっても、 いろいろ手が掛かって、ほんとうは難しいのでしょう?もっと簡単に、絵や写真が操作でき ればいいのにね。 ●はなこん講師  うーん。作り慣れてしまうと、ほんとうに難しいのは、企画力というか、あるテーマに沿 って素材を集め、それらを見やすく編集する作業が、いちばん難しいですね。でも初めての 方は、いまおっしゃったように、まず取り込む技術が複雑であることは同感です。  こういう作業は、いちどどこかで、あるいは誰かに指導をうけて、ルーチンワークといい ますか、一定の使い方を覚えるだけで、しばらくは大丈夫です。欲張って難しそうな高級な 機能を知らなくても、比較的単純な作業手続きだけで、掲載可能ということですね。  絵やイラストも基本的には写真と同じで、普通はそういうソフトでいきなり作るよりは、 いったんペン画などで下絵を書いて、それをスキャナという装置で読み込み、その後で、ソ フトで修正したり色を付けることが多いと思いますね。  また最近では、書店のパソコンコーナーには、ホームページ用の素材集、カットや背景画、 またボタンといって、リンクや文頭を意味するマーク図集も販売されています。ホームペー ジ作成には便利と思いますので、CDROMが付録として付いているそんな本を1冊持って いるといいと思います。こうした素材集は、商業利用でない限り、自由に使えるようになっ ていますね。  そうそう、もうひとつの強力な作成方法があります。  ブラウザで自分好みのページをみつけたら、いったんアクセスをやめて、そのページのも とになっている本文(HTMLタグまじりの文)をまねて、作りなおすことです。巧みな表 とか、フレーム、クリッカブルマップ、Javaスクリプトなどは、よくこの手をつかって、 ページを作ったりします。そうした「骨組み」を利用すること自体は、一般に違法でもなん でもありません。  
 時間の経つのをわすれて話し続けるるはなこん講師でした。コーヒー休憩の後は、次のよ うな話題になりました。 <電話代ってどのくらいかかるのか>  ・プロバイダ契約料    プロバイダの役目  ・電話代    NTTへの電話代もかかるのです    テレホーダイ料金    INS64の場合  ・電話代節約のための使い方    長電話をしないためのコツ    まずメールを    ニュースのチェック    WWWは読まずにどんどんアクセス    うっかり長電話を防ぐための使用時間設定   <ホームページを作るのに何が必要か>  ・ワープロソフトの利用    専用ソフトがなくても、うまく作れる  ・タグと呼ばれる編集用の記号    編集記号の種類  ・画像を取り込む装置について    スキャナの役目    デジタルカメラ    VTRによるビデオキャプチャ  ・描画用ソフトの種類と使い方    有名なPhotoshopだが、高価  ・素材集のソフト    各種素材集の種類と利用のしかた  
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(c)話せばわかるわかるコンピュータの会,1998.5
Hanaseba Wakaru Computer no Kai, Ichinoseki,Japan,1998