平成12年9月 事務局発行 事務局 岩手県一関市台町48-52
吸川の浄化は家庭から
左の写真は、7月30日に開催した「吸川現況調査会」の時に撮影した、「丸福団地」からの家庭雑排水の流入現場です。
団地内の各家庭から流された雑排水は汚水マスに溜まってから吸川に流入する構造になっていますが、残念ながら汚水マスの浄化機能は発揮されてはいない状況でした。(同じような流入状況は他にも数ヶ所有りました。)
今後、吸川をきれいにする会では行政に汚水マスの整備を働きかけて行くと共に、各家庭に有る汚水マスの浄化にも取り組んで行きたいと考えています。
具体的には、東沢木炭生産組合さん(代表は幹事の福田さん)から、寄贈された木炭5s(200袋)を希望する家庭の汚水マスに設置して家庭の雑排水の浄化を試みます。
ご希望の方は、事務局か役員の方へお申し込み下さい!(先着200袋)
*家庭の台所、風呂、洗濯機などから流される生活排水は、水質汚濁の元凶といわれるほど社会問題化しています。
このため排水の質をいかに高め、良い環境を維持するかが大きな課題となっています。
根本的な解決は下水道の普及ですが、木炭を利用した浄化槽が注目されていますので実験してみましょう!
(木炭は多孔性でアルカリ性の物質であることからバクテリアが棲みやすく、バクテリアは不純物を分解する役目も果たすので
汚水や家庭雑排水の浄化に最適であると考えられています。)
「北上製紙」と「吸川をきれいにする会」の
話し合いが一関地方振興局で開催されました。
かくはん 沈殿
北上製紙の排水構から採取した排水
PH=6.9 BOD=116 SS=450
8月24日午前中、吸川はドロドロに濁っていました。
偶然、吸川橋に於いて一関地方振興局河川課の方と当会会員が一緒に発見し、原因は北上製紙の排水である事を確認しました。
その時採取した排水を保健所で検査してもらった数値が、 PH=6.9 BOD=116 SS=450 です。
実は、昨年も同様の排水があり
(平成11年8月23日の北上製紙排水口)
当会の会員が個人で問題提起していました。
2年連続で極端に汚い排水が確認された為、
9月8日午後3時から一関地方振興局会議室に於いて
「岩手県一関地方振興局」と「一関市」を介して、
「北上製紙幹部」と「吸川をきれいにする会役員」の
話し合いが開催されました。
話し合いで判った事
[会社側の原因説明]
浄化処理前の汚水の入った貯留槽から処理装置に送るポンプの電源を入れ忘れたため、貯留槽の汚水があふれ出たと説明。
[町田社長の決意]
公害防止に対する社の姿勢が甘かったことを認め二次浄化装置の増設を約束。
[現状の排水]
汚水処理は一次処理(単沈)のみ。
常には磐井川の水でBOD=90〜100に希釈して排水。
[二次処理用の排水施設とは]
浮遊物を取り除く一次処理の後に、バクテリアを繁殖させて水中の栄養分を少なくし、BOD=20にするシステム。
その後、冷却水で希釈してBOD=13で排出する予定。
[環境ISO14001取得に関して]
町田社長は、「現時点では考えていない。」と回答。
[公害防止協定に関して]
町田社長は、「現時点では考えていない。」と回答。
参考までに...、
[水質汚濁防止法の規制値]
PH 5.8〜8.6
BOD <max160 日平均120mg/l
COD <max160 日平均120mg/l
SS <max200 日平均150mg/l
*水質汚濁防止法は、規則順守型の法律。
公害防止協定等の紳士協定を結ばない限り、総量規制等の順守義務は無いので、希釈して排水すれば適法。
[環境ISO14001に関する日本製紙の考え方]
ISO14001は環境マネジメントシステムを構築し、運用、維持、改善する手順を定めた規格で、これを満たすものに認証を与えることで、いわば環境マネジメント面での企業努力を社会的に認めようとするものです。この規格では、「継続的改善」を要求されるという点が大きな特徴で、一度認証を取れば済むというわけにはいかず、取得した企業は日々の活動を維持し、改善し続けなければなりません。いわば「自主行動型」の活動であり、そこが、これまで実施されてきた「規則順守型」の環境対策とは大きく異なる点といえるでしょう。
地球規模での環境問題に直面している今、環境対応は、もはや企業の社会的責任であり、内外に信頼の輪を広げることにつながります。地域住民へ安心を与える行動は、工場が存続するための基本条件ともいえるでしょう。
日本製紙は、1998年11月の勇払工場を皮切りに1999年12月、八代工場にて認証を取得したことにより、全工場での認証取得を果たしました。1年という短い期間で認証を取得できたのも、ゼロ・ディスチャージ運動などによる基盤が存在していたためです。
一方、関係会社についても、グループをあげての認証取得への気運が高まっています。
(上記の文書は、日本製紙のホームページより抜粋)
ISO14001に対する
日本製紙の考え方と町田社長の考え方の認識相違は何を意味するのでしょうか?
[参考資料]
吸川をきれいにする会現況調査会資料(平成12年7月30日)[参加者に配布] から一部抜粋。
国が管理する全国の一級河川のうち、最も水質が悪かった綾瀬川(東京・埼玉)のBODは、8.4
東北のワースト1は、阿武隈川と磐井川 磐井川と阿武隈川のBODは、1.9 (平成11年平均値)
磐井川は吸川との合流地点までは普通の川なのに?
吸川のBODは、(平成10年平均値) 新山橋BOD=12 吸川橋BOD=34
相去の北上製紙排水口から、水質汚濁防止法では適法の排水[BOD=90〜100]が流されています。
町田社長は、環境の事で住民が騒げば、北上製紙は工場の統廃合の危機にさらされて従業員200名の雇用の確保が危うくなると発言しました。(9月8日振興局)
しかし、親会社の日本製紙は「ISO14001の構築で地域住民へ安心を与える行動は、工場が存続するための基本条件ともいえるでしょう。」と公言しています。
吸川をきれいにする会として
北上製紙に対して
公害防止協定の締結と
ISO14001の認証取得を
求める事は
是なのでしょうか?
非なのでしょうか?
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吸川をきれいにする会 今後の活動予定
木炭による排水浄化実験
家庭の汚水マスに関しては、先着200様へ
木炭5s袋を無料提供(東沢木炭生産組合提供)
集落の集合汚水マスに関しては、行政と交渉中
先進地視察会
河川管理の先進地視察会を企画中
(視察地の条件)
以前は汚れていた河川が、住民活動等によって
きれいになった所(近隣)
推薦する地が有る方は、事務局迄連絡して下さい。
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